磯貝サイモン OFFICIAL WEBSITE

メッセージ from 椎名慶治

今回磯貝サイモンのニューアルバムである「Human Tricycle」にて1曲共作をする事になりました。
担当したのは作詞なんですが、俺が関わる前に元々完成していて、ライブでも披露されていた曲とのこと。
だけど「この曲はもっとよくなるんじゃないか?」とサイモンはずっと思っていたらしいのです。その曲が今回俺と共作する事で新たに生まれ変わり「ホントのハジマリ」と言う曲になったわけですね。

で、サイモンのスタッフから「椎名さんからコメント頂けたら非常に嬉しいのですが・・・」と。しかも「文字数は気にせず書いてくださって結構です」まで言ってくれましたんでね?
それ椎名に言っていいのですかと、本気で文字数気にしない男だぞと、だったらコチラもあることないこと(ないこと書いちゃだめだろ)書いてやろうかなと。って事でたった1曲共作しただけの俺の文字数がきっとどの文章より長く、1番になるだろう予想をしつつ色々あることないこと書いていこうと思います。

まずは、椎名慶治と磯貝サイモンの出会いから紐解いていってやろうかなと。(話長くする気まんまんやコイツ!)
磯貝サイモンと言う名前を初めて耳にしたのは元事務所のピンナップス。
俺のマネージャーだったMさんがどこぞから見付けてきた逸材でピンナップスに所属する事になったと。俺はまっさきにその名前に食いつく。「凄い芸名ですね(笑)」と。
だがMさんから「いや、これ本名だから(笑)」と。多分今後もサイモンは何処に行っても初対面の人に「え?本名なんですか?」とまだまだ聞かれるだろうね(笑)。
その時はまだサイモンがデビュー前で世の中には出ない白盤と呼ばれる媒体、関係者に配られるプロモーション用のCDがあったのですがそれをMさんから手渡されて「率直な意見が聞きたい」と。5曲ぐらい収録された世に出ないそのCDのクオリティの高さに驚かされ「これが売れなかったらMさんのせいじゃね?」ってプレッシャーをかけたもんです。
そんなサイモンとはその後サイモンのワンマンライブを俺が見に行って挨拶をする事に。(本当に軽くだけ)
それから数年これといってお互い一緒に何をするでもないまま数年が経ち、俺はピンナップスを抜ける事に。(SURFACE解散のタイミングで)
そしてソロになった2010年7月に初めてサイモンをサポートに招き入れ、その後は何度も一緒に音を出す機会に恵まれました。
不思議なもんですよね。お互い同じ事務所どうしの時は1度も一緒に音出してないのにですよ?もうソロになった椎名慶治の隣には常に磯貝サイモンがいるんじゃね?ぐらい一緒にいましたからね(笑)。
特に2011年12月に行われた小樽でのライブ「SURFACE Ballad Night」ではサイモンと2人きり、尚且つグランドピアノでのライブ。
サイモン以外でこのライブを成功させられる人はいなかったんじゃないかと思うぐらいです。(ピアノが弾けてハモリも出来る人間。しかもリハ2日間で。)
この、俺達にとって痺れる(良い意味ではなく必死って意味で)ライブのおかげで、そのライブを成功させたおかげで、より絆は深まったと言える。
その後も俺のファンクラブ沖縄旅行での1番の目玉だったであろうライブを2人でやったり、俺のインストアライブを2人でやったり、事ある毎にサイモンにサポートしてもらってきました。
他にも俺の曲のアレンジも数曲してもらったりも。そんな経緯があって、逆に俺もたまには恩返しではないけど、サイモン主催の、サイモン始まりの作品やライブに参加したいなぁって思っていたんですよ。いや、マジで。

そして先日サイモンと会った時に、ポロっとサイモンが「アルバムの締め切りまで時間がないのに歌詞が完成してないんですよねぇ・・・」と。
別に俺に手伝って欲しくて言ってるニュアンスではなかったんですが、上記の通り俺もたまにはサイモンのサポート出来ればと思っていたので、偉そうに聞こえたかもだけど「だったら1曲なんか手伝おうか?」と。
それにサイモンが即答で被せ気味に「本当ですか!?後で詳細メールします!!」ときたもんだ。相当追い込まれていたんでしょう(笑)。
そして椎名慶治と共作をする事になったと。

どうですか皆さん!!文章長いのに本題ひとっつも書いてませんよ!!はっはっは!!
「ホントのハジマリ」が完成するまでも少し語りますか?(いやむしろそっちを書いてくれってスタッフにお願いされたよね君)

先ほどのリハ終わりの夜に直ぐサイモンから音源と歌詞が添付されたメールが届く。
「サビの出だしのハマリ具合は気に入ってるので、そこだけは残してもらっていいですか?後は椎名さんの好きに書いてください!!」とはサイモン。
サビの出だしと言う1番大事な部分だけ縛る事でこっちがどんだけ歌詞を書き辛くなるのか奴は知らないらしい(笑)。
だが、そんな後輩の頼みにしっかり答えられてこそ先輩だろうと言う、ある意味での負けたくない気持ちが俺にもあるので、音源もらったその日にわざと最後まで書かず2番までの土台を書き上げてサイモンに投げ返す。
完成してる、完結してるものを直したり、そこに色を入れるのは難しいので(15年の経験からして)、あえて2番までのラフを書き、それを1度サイモンに投げ、サイモンの意見、サイモンの言葉を加筆修正したものを投げ返してもらおうと。そして俺の歌詞を読んでサイモンなりに「えー早い!!すげぇ良くなってます!!椎名さん流石です!!」とか言うわりに「こんな感じどうですか?」と修正案を出してくる。
いや、君さっき流石って言ったよね!?と思いつつもその後LINEでやりとり。時代だよね、LINEなんて(笑)。

お互いLINEのボイスメモに歌をアカペラで歌って「こんな感じなんだけど」と。(ファンなら聞いてみたい貴重な2人のアカペラだよね)俺が描いた世界に賛同しつつもサイモンなりの言葉を受け、それを俺が「あーそういきたいのか、了解ちょっと待ってて」ともう一度まとめあげたモノをサイモンにメッセージとともに送り返す。
「俺的には元の歌詞を超えたと思うし、あとはサイモンが歌ってみて微調整してくれればOK」と。大幅にじゃなく、チマチマと、だけど確実に歌詞の世界が拡がっていく感覚を2人とも味わったと思うし、とても楽しいやりとりでした。

俺の歌詞だけど俺の歌詞でなく、サイモンの歌詞だけどサイモンの歌詞ではない。2人だからこその歌詞、椎名とサイモンで「シナモンズ」だからこその歌詞に仕上がったと思ってます。
アルバムで1番印象に残る曲になってたら良いなって思います。(歌詞がとくに!!)
何処をどちらが書いたのか全箇所当てられたらそれは相当なシナモンズマニアだね(笑)。是非そんな事も気にしながら聞いてもらえたらなと。

そしてそんな「ホントのハジマリ」も収録される、「Human Tricycle」をひっさげてのリリース記念ライブに、ワタクシ椎名慶治も参加してくれないかとサイモン本人から打診をされました。
「え?俺楽器出来ないし!」と言ったら「いや、ゲストボーカリストとして!」とサイモン。「東京だけでいいんだよね?」と言ったら「いや、大阪にも是非来てください!」とサイモン。
いやいやいやいや、ありがたいお誘いですけどね?おかしいでしょ?だって何もサイモンの曲歌えないよ?(それも失礼だろ)ってわけで、この場を借りて声を大にして言わせてもらいます。

歌詞カードは用意しといて!!

やっぱり「ホントのハジマリ」は一緒に歌うんだろうとか予想されるだろうから、それ以外にも何曲か一緒に歌えるように精一杯練習して「これ誰のライブ!?」って言われるぐらいに客の目を惹きたいと思います!!
後輩には負けたくないので!!
因みに俺の曲歌ったら駄目なの?あるのよ「君の頭上サイモン」みたいな歌詞の曲が!!追っかけも「君の頭上サイモン」って歌えるしどうよ?でも頭上にサイモンいるって想像したらなんか怖いわ(笑)。
とにかく、今これを読んでるアナタ!貴重な2日間になる事だけは間違いないでしょうから、どちらかに、いや両日参加する勢いでよろしくお願いします!!

(元サイモンの事務所の先輩)椎名慶治